抄録
本研究では,教職志望大学生を対象に,AIに関する意識を明らかにした。次に,AIのイメージとAIの教育現場への活用に対する期待を計量テキスト分析で検討した。その結果,AIの発達に伴って生活が便利になることは良いが,教育においては,あえて不便さを体験させることも重要であると考えていることが示唆された。AIのイメージに関しては,AIを教育現場で活用することに賛成群では,特徴語として「便利」,「生活」,「豊か」が見いだされ,反対群では特徴語として「考える」,「知能」,「奪う」が確認された。また,AIの教育現場への活用に対する期待に関しては,AIを教育現場で活用することに賛成群では特徴語として「授業」や「活用」が見いだされ,「反対群」では特徴語として「学習」や「学力」,「向上」が確認された。特に,反対群では「子供たちの学力が向上するAI機能があると勉強が楽しくなる」,「生徒の学習意欲の向上が図られる」などの学習や学力面で期待していることが明らかになった。