2012 年 5 巻 4 号 p. 293-301
水道管からの水漏れと同じくLSIも欠陥箇所を介して電流が漏れ出し故障に至らしめる.この漏れ電流現象はLSIを評価する重要なパラメータの一つである.しかしながらDSM(Deep Sub-Micron)化に伴うデバイス技術の進展は電流値を用いた評価を困難とした.この問題を克服すべく,テスト技術は統計処理による正常/異常値間の差分の顕在化による識別法更には電源電流の波形の相関比較やフーリエ変換による数理処理により異常の有/無を顕在化する技術が開発されている.故障診断技術は漏れ電流の特徴を用い,論理情報と組み合わせることで簡易で高精度に故障候補を特定する技術の開発で評価技術の向上が図られている.