抄録
ラット静脈血由来リンパ球を幼若化反応に利用するため, 後大静脈から採取した静脈血からリンパ球を回収した。リンパ球の回収率は33.2±2.23%であり, その生存率は99.8±0.25%であった。このリンパ球浮遊液に3種類のmitogen (phytohemaggultinin-M, concanavalin Aおよびpokeweed mitogen) の各3濃度を加えて炭酸ガス培養し, グルコース消費試験によるGCT-SR値 (glucose consumption test-stimulation ratio) および形態学的に測定した幼若化細胞の出現率を求め, mitogenの種類およびそれらの濃度の影響を検討した。その結果, GCT-SRおよび幼若化細胞の出現率に与えるmitogenの種類とそれらの濃度の影響および両者の交互作用は, いずれも1%の危険率で統計的に有意であり, phytohemaggultininの0.1ml/mlのGCT-SR値および幼若化細胞の出現率が最大で, それぞれ41.2%および5α8%であった。また, GCT-SR値と幼若化細胞の出現率との間に相関係数r=0.97という強い相関関係が得られ, 両者の成績の一致度が高かった。したがって, ラットの静脈血由来リンパ球を用いるグルコース消費試験により, 安全かつ簡便にしかも微量の血液で多数検体について, リンパ球の幼若化能を調べることが可能である。