抄録
1985年から1990年の間に得られたウサギ生産施設6コロニー由来のウサギ血清372検体および実験施設9コロニー由来のウサギ血清172検体について, 酵素抗体法および間接蛍光抗体法を用いてTyzzer菌 (Bacillus piliformis) に対する抗体保有調査を行った。生産施設においては3/6 (50.0%) コロニー, 53/372 (14.2%) の血清が抗体陽性を示した。一方, 実験施設では6/9 (66.7%) コロニー30/172 (17.4%) の血清が抗体陽性を示し, 最近の, わが国の実験用ウサギコロニーにおけるTyzzer菌汚染が認められた。また, 酵素抗体法と間接蛍光抗体法において得られた成績を比較したところ, 一致率は527/544 (96.9%) を示し, 抗体価も高い相関を示した (r=0.86, P<0.01) 。