福岡県農林業総合試験場研究報告
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いもち病に強く高温登熟性に優れる良食味水稲「恵つくし」の育成
高田 元気 山口 修宮原 克典石橋 正文和田 卓也大久保 佑璃宮崎 真行井上 敬石丸 知道坪根 正雄
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2023 年 9 巻 p. 14-21

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抄録
水稲新品種「恵つくし」は,極早生,いもち病圃場抵抗性‘強’,高温登熟性に優れる良食味品種の育成を目的に,極早生,高温登熟性‘やや強’,良食味の「ちくし81号」を母として,早生,良食味で,いもち病圃場抵抗性遺伝子Pi39を保有する「西海 265号」を父として2011年に人工交配を行った組合せに由来する。 同じ熟期区分の「夢つくし」および中山間地域の普及品種「つくしろまん」と比較した特性は以下のとおりである。成熟期は「夢つくし」より2~3日遅く,「つくしろまん」より8日早い‘極早生’に属する粳種である。「つくしろまん」と比較して,稈長は短く,穂長はやや長く,穂数は多く,収量性はやや多収で,玄米千粒重はやや重い。食味は「夢つくし」より優れ,「つくしろまん」と同程度の良食味である。いもち病圃場抵抗性遺伝子Pi39を保有するため,葉いもち圃場抵抗性,穂いもち圃場抵抗性ともに‘強’である。高温登熟性は‘やや強~中’で白未熟粒の発生が少なく,「夢つくし」および「つくしろまん」より玄米外観品質は優れる。穂発芽性は‘難’である。本品種は,いもち病に強く高温登熟性に優れる良食味水稲として,中山間地域での作付けに適すると考えられることから,「つくしろまん」の代替品種として,2022年 2月に準奨励品種に採用された。
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© 2023 福岡県農林業総合試験場
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