抄録
世界の農林業や家庭における植物由来の廃棄物量は年間1,400億トンにものぼる.これらはごく一部がエネルギー源として利用されるにとどまり,大部分は未利用のままである.このような植物廃棄物に付加価値を見いだし経済利用することができれば,それはまさに錬金術のような技術となり得るだろう.今回,Kuppusamyらは南オーストラリアにおいて採取した25種の植物廃棄物についての商業的有用性を検討したので,本稿で紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Kuppusamy S. et al., Ind. Crops and Prod., 83, 630-634 (2016).
2) Hutzler P. et al., J. Exp. Bot., 49, 953-965 (1998).
3) Southwell I. et al, “TEA TREE the genus Melaleuca”, Harwood Acad. Pub., Amsterdam, 1999, pp. 2, 169-186.