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医薬化学マルチターゲット戦略に基づくニコチン依存症治療薬の探索研究
北澤 隆之
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2017 年 53 巻 10 号 p. 1017

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抄録

単一の分子で複数の標的と相互作用する薬剤をマルチターゲット薬といい,一剤につき1つの薬効を持つ従来型の医薬品と比べて薬効の相乗効果,副作用の軽減,薬剤耐性の発現や薬物間相互作用のリスクの低下といった様々な利点が期待できる.さらに服薬数の低減というメリットも考えられることから,近年注目を集めている.従来,マルチターゲット薬は神経変性疾患やがんなどの分野で注目されていたが,最近ニコチン依存症治療薬の探索について報告されたので,本稿で紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Simone A. D. et al., J. Med. Chem., 60, 2287-2304(2017).
2) Foll B. L. et al., Expert Opin. Invest. Drugs, 16, 45-57(2007).
3) Panlilio L. V. et al., Pharmacol. Ther., 138, 84-102(2013).
4) Simone A. D. et al.,Chem. Commun., 50, 4904-4907(2014).

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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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