ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
オーファン受容体のリガンド探索が副作用軽減の鍵!?
片川 和明
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 53 巻 12 号 p. 1211

詳細
抄録

多くの化学伝達物質や薬物の標的であるGタンパク共役型受容体(GPCR)だが,実は未だその約4分の1はリガンドが同定されていないオーファン受容体(oGPCR)である.oGPCRの特異的リガンドの発見は,これまで不明だった薬物の作用機序解明や薬物標的の創出につながる.Lansuらは,彼らの研究グループが報告したoGPCRリガンド探索法(PRESTO-Tango法)と計算化学的手法を組み合わせ,oGPCRの1つであるMas-related GPCR X2(MRGPRX2)の特異的リガンドを見いだし,MRGPRX2が非古典的なオピオイド受容体であることを突き止めたので紹介したい.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Kroeze W. K. et al., Nat. Struct. Mol. Biol., 22, 362-369(2015).
2) Lansu K. et al., Nat. Chem. Biol., 13, 529-536(2017).

著者関連情報
© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top