ファルマシア
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腸内細菌が作り出す大腸の生理的低酸素環境とがん組織における低酸素シグナル
梶野 リエ青木 正博
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キーワード: 低酸素, 腸内細菌叢, 酪酸, がん
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2017 年 53 巻 3 号 p. 238-240

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抄録
ヒトを含めほとんどの生物が生命活動を維持する上で,酸素は必要不可欠なものである.酸素は大気中の21%(酸素分圧159mmHg)を占め,肺を通して血液中へ取り込まれ,全身へと運ばれる.器官,組織レベルで見ると,ガス交換の場となる肺胞内の酸素分圧は100mmHgだが,血流,酸素供給や代謝の違いを反映して酸素分圧が著しく低い,すなわち低酸素状態にある部位が見られる.そのような部位の1つである大腸の低酸素環境と腸内細菌の関係,およびがん組織における低酸素シグナルの役割について紹介する.
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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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