抄録
真菌は有用な生物資源として知られており,様々な生物活性物質を産生するだけでなく,環境中の物質の構造を変換する能力も有する.微生物による変換は有用物質を産生する目的で用いられることが多いが,毒性の増強につながる場合もある.自然界には様々な真菌が存在するため,上記の現象は自然環境中でも発生する可能性がある.今回,毒性が強化された例として,環境より発見された真菌によるフロセミド(FRSM)の代謝と,その代謝物の毒性を評価した例を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Olvera-Vargas H. et al., Environ. Sci.Pollut. Res., 23, 22691–22700(2016).
2) Komori K. et al., Environ. Monit. Assess., 185, 4529–4536(2013).
3) Laurence C. et al., Chemosphere, 113, 193–199(2014).