ファルマシア
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漢方エキス製剤のセンチネル・プロジェクト
多田 百花
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キーワード: ADR, 漢方製剤, JADER, 生薬成分
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2020 年 56 巻 9 号 p. 868

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抄録
漢方エキス製剤の普及により漢方製剤の使用が拡大する中で,その適正使用が課題となっている.漢方製剤の代表的な副作用(adverse drug reaction: ADR)としては偽アルドステロン症や間質性肺炎,肝障害が知られてきたが,新たに腸間膜静脈硬化症が注目され,広く注意喚起がなされることとなった.漢方製剤によるADRの調査にあたり,医薬品医療機器総合機構が提供する医薬品副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database: JADER)は有力なデータソースとなるが,その場合,ADRの発現数を知ることはできても,使用者数が不明であるため,発現頻度を知ることは難しい.そのような背景の下,Araiらは,漢方エキス製剤の使用者数の算出方法を考案し,ADR発現頻度を分析した.さらに,オッズ比分析からADR発現頻度に影響する生薬の組み合わせを見いだしたのでここに紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Shimada Y. et al., Evid. -Based Complement. Alternat. Med., 1643804,(2019).
2) Arai I. et al., Traditional & Kampo Medicine, 6, 3-11(2019).
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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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