ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
タンパク質間相互作用の新たな網羅的検出法
梅澤 啓太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 56 巻 9 号 p. 869

詳細
抄録

タンパク質間相互作用の網羅的解析は,新たなシグナル伝達経路の発見や創薬開発の飛躍的発展に大きく貢献してきた.その多くは,プルダウン法や共免疫沈降法などによって明らかにされてきたが,これらの方法では生きた細胞内の一過的な状態変化によって時空間的に変動する相互作用は検出できない.そのため,新たな検出法の開発がこれまで看過されてきた多くのタンパク質間相互作用の発見を可能にすると期待されている.そこで本稿では,光感受性分子プローブを用いた新たなタンパク質間相互作用検出法(photoproximity protein-protein interaction: PhotoPPI法)を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) McCutcheon D. C. et al., J. Am. Chem. Soc., 142, 146-153(2020).
2) Keppler A. et al., Nat. Biotechnol., 21, 86-89(2003).
3) Rhee H. W. et al., Science, 339, 1328-1331(2013).
4) Geri J. B. et al., Science, 367, 1091-1097(2020).

著者関連情報
© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top