2026 年 62 巻 1 号 p. 55-58
動物細胞におけるリン脂質・塩基交換反応の役割を解明するため、培養細胞株CHO-K1細胞から当該反応の欠損変異株を分離し、その解析を行った。その結果、CHO-K1細胞にはセリン交換酵素IおよびⅡが存在し、これらが動物細胞におけるホスファチジルセリン(PS)生合成の主要な責任酵素であることを明らかにした。さらに研究の過程で、培地にPSを添加するとde novoのPS生合成がほぼ完全に抑制される現象を発見し、PS生合成の調節機構の一端を示すことができた。本研究を通じて得られた経験から、筆者が考える「研究の壺」を紹介する。