2026 年 62 巻 1 号 p. 59-61
スピジアⓇ点鼻液(一般名:ジアゼパム)は,既存製剤より簡便かつ迅速に定量のジアゼパムを投与し,てんかん発作を制御することを目的に米国Neurelis社が開発した経鼻投与型の抗けいれん薬である.米国では“VALTOCOⓇ”の名称で,2歳以上のてんかん患者の群発発作・急性反復発作治療薬としてFDAに承認されている.国内ではアキュリスファーマ(株)が開発を担当し,2025年6月に「てんかん重積状態」の治療薬として厚生労働省から製造販売承認を取得した.てんかん重積状態は神経学的後遺症や生命予後への影響が懸念されるため,迅速な治療介入が重要である.しかし国内では,坐剤や口腔用液が発作時の病院前治療に用いられてきたものの,成人患者に使用できる製剤がなく,その結果,救急搬送まで治療が遅れるケースも少なくなかった.