抄録
東日本大震災後の海岸防災林再生事業初期に造成された盛土の一部で、地表に水溜まりが発生し植栽木の生育への影響が懸念されている。重機走行は盛土を締固める傾向があり、水溜まりの発生を誘引した可能性がある。海岸防災林再生事業で造成された盛土において締固めが起きているか確認するため、宮城県仙台市荒浜に造成された盛土の物理性を調査した。深さ10 ~ 40 cm を中心として深さ75 cm 以浅で、山中式硬度指数は20 mm、容積重は1.5 Mg m-3 を超え、かつ粗間隙率が20%未満を示す箇所が多かった。盛土は硬く、密に詰まっており、粗間隙が少なく、締固められた状態にあると考えられた。