抄録
降雪と降雨では気候や自然環境、人の生活に及ぼす影響が大きく異なるため、雨雪別の降水量データは様々な分野で必要性が高い。森林総合研究所十日町試験地では、1922 年~ 1987 年の冬期降水量は、自記降水量計の記録から月ごとに雨雪別降水量を集計していた。これまで雨雪別降水量を集計していない1988 年以降についても、雨雪別に降水量を求めて長期間のデータを得ることが望ましい。そこで、十日町における降水時の気温と、降水が雪になる降雪頻度の関係を求め、気温により降水量を降雪量と降雨量に配分した。降水の温度は気温より湿球温度に近いが、両者を比較した結果は大差がなかったため、本研究では、気温により降雪頻度を求め、1988 年~ 2016 年冬期の雨雪別降水量を算定した。