抄録
1857年の十勝岳安政噴火に伴う泥流跡に成立した林分における1955年以降61年間の林分動態を検討した。その結果、泥流流下158 年後の林分状況は、立木本数358 本・ha-1、胸高断面積合計57m2・ha-1、林分材積658.8m3・ha-1で、エゾマツとドロノキが最上層を占め、下層には広葉樹の進界がみられた。林分材積は、泥流流下後148年をピークとしてわずかに減少したが、立木本数は調査期間中一貫して減少し、半減した。これらのことから、当林分の林分発達段階は、個体間競争により密度が減少する若齢段階から二段林的な構造を示す成熟段階に移行しつつあると考えられた。