森林総合研究所研究報告
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2011年福島第一原子力発電所事故後5年間の、福島県のスギ (Cryptomeria japonica var. japonica) の花粉セシウム137濃度
清野 嘉之 赤間 亮夫金指 達郎志知 幸治近藤 禎二星 比呂志倉本 哲嗣藤澤 義武倉本 惠生
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2020 年 19 巻 1 号 p. 89-104

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抄録
花粉飛散前のスギ (Cryptomeria japonica var. japonica) 雄花の測定値をもとに、スギ花粉により再飛散される放射性セシウムの量を的確に推定するため、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故の影響下にあるスギについて、花粉の完成直後 (11月) と飛散直前 (翌年2月) の雄花と花粉の質量、セシウム137 (137Cs) 濃度を調べた。郡山市のスギ林では11月の雄花質量の約1/3が花粉で、雄花と花粉の137Cs濃度に有意差はなかった。得られた雄花と花粉の関係を、福島県内の21か所で2011–2015年の毎年11–12月に得たスギ雄花の測定値にあてはめ、花粉137Cs濃度を推定した。スギ花粉137Cs濃度は年々低下し、2012年春と比べ2016年春の濃度は約8%であった。文部科学省の137Cs沈着量の分布マップを利用して求めた、環境からスギ花粉への137Cs面移行係数は2012年2月が0.0203 m2 dry kg-1、2016年2月は0.00168 m2 dry kg-1であった。
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