花粉飛散前のスギ (
Cryptomeria japonica var.
japonica) 雄花の測定値をもとに、スギ花粉により再飛散される放射性セシウムの量を的確に推定するため、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故の影響下にあるスギについて、花粉の完成直後 (11月) と飛散直前 (翌年2月) の雄花と花粉の質量、セシウム137 (
137Cs) 濃度を調べた。郡山市のスギ林では11月の雄花質量の約1/3が花粉で、雄花と花粉の
137Cs濃度に有意差はなかった。得られた雄花と花粉の関係を、福島県内の21か所で2011–2015年の毎年11–12月に得たスギ雄花の測定値にあてはめ、花粉
137Cs濃度を推定した。スギ花粉
137Cs濃度は年々低下し、2012年春と比べ2016年春の濃度は約8%であった。文部科学省の
137Cs沈着量の分布マップを利用して求めた、環境からスギ花粉への
137Cs面移行係数は2012年2月が0.0203 m
2 dry kg
-1、2016年2月は0.00168 m
2 dry kg
-1であった。
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