森林総合研究所研究報告
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長崎県対馬におけるツリーシェルター施工地の20年後の状況:耐久性と成長した植栽木への影響
安部 哲人 柳本 和哉山川 博美野宮 治人
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2022 年 21 巻 1 号 p. 49-53

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抄録
長崎県対馬のヒノキ苗にツリーシェルターを設置して約20年間経過後の間伐前の状態を報告した。1999年にツリーシェルターを設置した198本中、75.8%の苗が2018年に生存していた。初期の表土移動で倒伏した24本を差し引いた174本を母数とすると、その後の生存率は82.2%であった。ツリーシェルターの耐久性は生存個体のうち37本が脱落しており、53本が破れ、53本が破損なく残存していた。残存する53本のほとんどの幹直径はツリーシェルターの径以下であり、成長に伴い脱落すると推測された。間伐までの成林状況から、本仕様のツリーシェルターは20年程度放置しても植栽木の変形やツリーシェルターの早期の破損等の問題は発生しにくいと考えられた。
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