抄録
2種のヤナギ(オノエヤナギとエゾノキヌヤナギ)の遺伝資源を北海道内から広く収集し、それらのクローンを森林総合研究所林木育種センター北海道育種場に保存した。次に、クローンの特性評価を行うため、試験地への直ざしによるクローン植栽試験地を設定した。3成長期後の幹乾燥重量には大きなクローン間差が認められ、最良線形不偏予測(Best Linear Unbiased Prediction; BLUP)法を用いて推定したクローンの乾燥幹重量の予測値はクローン間差が最大となった試験地では3.89倍に達した。本資料では、ヤナギ短伐期林業による木質バイオマス生産の促進を目的に、幹の乾燥重量についてのクローンの特性評価結果とそれに基づいたクローン選抜について報告する。