糞虫(コガネムシ上科食糞群)は、熱帯地域において生息環境特性の有用な指標群として知られている。様々な土地利用タイプにおける糞虫の多様性を評価するために、インドネシア共和国東カリマンタン州バリクパパン市の北方10~40 km の低地に広がるスンガイワイン保護林とその周辺において2004年から2017年の間、人糞と魚肉を誘引餌とした落とし穴トラップを用いて糞虫調査を行った。この調査では68種の糞虫が捕獲された。これらの種を同定する手助けとして、全種の写真と標徴および、よく似た種を区別するための有用な特徴の写真を提示した。インドネシアではこれまで糞虫の図鑑はなかった。本図鑑はボルネオ島のわずかな地域をカバーしたものに過ぎないが、本図鑑がインドネシアの昆虫研究者や昆虫愛好家が糞虫を種同定する際の手助けになることを切に願う。