在来木の実の食用価値の再評価を目的に、オニグルミ (Juglans mandshurica var. sachalinensis)、ヒメグルミ (Juglans mandshurica var. cordiformis)、マテバシイ (Lithocarpus edulis) について、報告例のない微量栄養素 (ミネラル、ビタミン) などを分析し、既報の同種及び近縁種 (同属、同科) と比較した。オニグルミとヒメグルミはマグネシウム、リン、鉄、亜鉛、マンガンの値がペルシャグルミ (Juglans regia) よりも高く、マテバシイはマンガンや銅が他のブナ科よりも高かった。オニグルミはγ-トコフェロールとビタミンB1の値が他のクルミ種よりも高く、マテバシイはビタミンK1とビタミンCがクリ属よりも高かった。全重量に対する非可食部の重量比 (廃棄率) はオニグルミ73.6%、ヒメグルミ72.1%、マテバシイ35.3%であった。