2025 年 24 巻 3 号 p. 193-200
Pseudomonas tolaasii はヒラタケに褐斑や腐敗を引き起こす。我々は、以前、トランスポゾン(mini-Tn5km1)をPs. tolaasii の調節遺伝子rtpA+ に単一挿入することにより、毒素トラシン活性を含む複数の形質を失った変異体MUR31を作出した。試験したMUR31の欠損形質は、野生株のrtpA+ の導入により全て相補された。本研究では、ヒラタケ子実体に感染したMUR31 の細胞が棍棒のように伸びること、そして、この形態はrtpA+ をMUR31 に導入しても復帰しないことを明らかにした。ヒラタケに感染したPseudomonas tolaasii変異体の異常形態の報告、及び変異遺伝子の野生型対立遺伝子を導入しても復帰しないという報告は初めてである。この形態異常にエピジェネティックスあるいは他のゲノム構造の変化が関わっているのか検証が必要である。