2025 年 24 巻 3 号 p. 201-206
スギの花粉の取り扱いおよび保存における有機溶媒 (アセトン・エタノール・クロロホルム・ヘキサン)の適用性を調べた。アセトンまたはエタノールに24時間 (4°C) 漬けたとき、スギ花粉の発芽率は大きく低下した。一方、ヘキサンでは発芽率の低下は見られなかった。花粉をヘキサンに漬けたまま4°Cで保存したところ、発芽率は67.0%から1週間ほどで37.8%にまで低下したが、1ヶ月後も36.2%の発芽率を有していた。またヘキサンを用いることで、12月と2月に採取した開花前の雄花から、十分に発芽能力を持った花粉を集めることができた。これら結果は、風媒の針葉樹のスギにおいても、ヘキサンの活用が花粉の収集および一時的な保存において新たな選択肢となりうることを示す。