森林総合研究所研究報告
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論文
茨城県北部、小川試験地での33年間のスズタケの開花と結実
新山 馨 柴田 銃江齋藤 智之直江 将司
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2025 年 24 巻 4 号 p. 255-264

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抄録

ササ類は数10年から120年という長い間隔で、開花と実生更新を繰り返す。しかしササ類の開花は、数100 haの広域一斉開花から数m2の小規模部分開花まで、種や地域、開花年により多様である。本研究は、1) スズタケの開花現象を記録し、2) 一斉開花と部分開花の結実率の違いを明らかにすること、3) スズタケ種子の休眠性と発芽の有無を確認することを目的とした。小川保護林では33年間 (1990年–2023年) に、スズタケの開花を6箇所で観察した。それらは2017年の面積が0.45 ha以上の小規模一斉開花3箇所と、1991年、2020年、2023年に開花した数m2から数10 m2の部分開花3箇所だった。小規模一斉開花では、稈と地下茎の芽から異なるサイズの花序が出現したが、稈の花序でのみ結実した。稈密度の高い一斉開花では7.9–10.2%の結実率だったが、一斉開花でも稈密度が低い群落では結実しなかった。部分開花ではすべての場所で成熟した種子(穎果)を確認できなかった。一斉開花では、1176 ± 945個/m2の種子が生産され、翌2018年に平均0.63本/m2、2020年に平均2.46本/m2の実生がみられた。これらの結果、スズタケは0.45 ha程度の小規模開花でも結実し、種子は休眠性を持ち、開花翌々年にも発芽する可能性が高いことがわかった。今後はスズタケ開花跡地でのスズタケと樹木実生や他のササ類との競合と生残が研究課題となる。

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