抄録
都会の過密なる狭い空間の中に建つペンシルビルは、火災や耐震性に対して一般のビルより性能が劣る。特に火災時の避難においては、いったん火が回ると避難しにくい。そこでペンシルビルの避難経路の調査を始めとし、ペンシルビルの特徴と問題点を取り上げた。本調査は調査地域を東京中央区銀座にしぼり、100のビルについて概要を調査した。安全性の面から建物の規模、タテとヨコの比率、避難階段の設置状況、外観の面から外壁材料の種類、サインの種類を調べた。以上の調査結果をふまえて、適正なるペンシルビルのあり方を検討した結果からいくつかの建築提案(1,共用屋上スペース 2,避難経路の共有化 3,外壁の連結化 4,巨大スクリーンの設置など)を述べる。