抄録
近年プラスチック系建材の処理·処分の方法を巡る環境影響に及ぼす懸念から,積極的なリサイクル推進が,多方面で取り組まれている。廃プラスチックのうち,熱可塑性樹脂については各種の建設資材の原料として活用されている。しかしこれらの廃材は,主として建設業界以外から排出される産業廃棄物と考えられ,建築物の解体·撤去工事に伴って発生した廃プラスチックについては,ほとんどリサイクルの実績がないと考えてよい。そこで,建築物の床用材料として使用された後に,改修,解体により撤去された塩化ビニル製床材について,これをリサイクルとして床材製品の原料とすることの可能性について,実験検討した。