抄録
主にPCaカーテンウォールとして用いられる超軽量コンクリートは,靭性能に劣るものの軽量性および断熱性に優れており,供用期間のエネルギー削減が期待できる材料である。また,地球環境,資源問題への対策として建物の長寿命化,つまり建築材料の耐久性確保の要望は大きい。本研究では,靭性能の改善を目的にビニロン繊維を混入した超軽量コンクリートの耐久性について,電食実験,塩分浸透試験,凍結融解試験等を行った。その結果,繊維混入が超軽量コンクリートの耐久性に及ぼす影響は小さいことがわかった。また,ひびわれ発生後においては,繊維の混入によってひびわれ幅の増大が抑制されることを確認した。