抄録
施工現場では、真空処理時の真空度(=吸引圧⁄大気圧)は、60~80%程度で行っている。しかし、現場の状況によっては、この真空度を確保できない場合もある。すなわち、施工現場においては、真空度をいかに下がらないようにするかが極めて重要な問題となる。そこで、本報では、真空度低下の原因とその防止対策について、現場の事例をもとに整理するとともに、一部の事例に対する改善策について実験的な検討を行った。その結果、本実験の範囲では、現場でスラブ表面が乾燥して真空度が上がらない場合には、比較的容易にできる散水およびセメントペーストを散布する方法により、スラブ表面の品質を確保することができる。