抄録
コンクリートは、乾燥収縮によってひび割れを生じる。乾燥収縮に関する研究は古くより行われているが、多くはコンクリート自体の収縮に関するもので、仕上げが施された状態での研究は極めて少ない。建築物は一般に躯体に仕上げが施される場合が多い。よって、建築構造物の収縮ひび割れ制御を図るためには、仕上げが施された状態での収縮挙動を把握する必要があると考えられる。そこで、本研究は、30cm×30cm×18cmのコンクリートの試験体に種々の仕上げを施し、仕上げ材がコンクリートの乾燥収縮性状に及ぼす影響を調べた。その結果、仕上げ材の種類によってはコンクリートの乾燥収縮性状に著しく影響を及ぼすことが明らかとなった。