抄録
環境配慮の観点から、研究が継続されているクロムフリー系化成処理は従来一般化しているクロム酸クロメート系処理とは異なり、処理後にアルミニウム合金が顕著な着色を示さないので、今後の実用化では簡易な品質管理手法の確立が必要である。本報では、ジルコニウムを主成分とするクロムフリー系化成処理を対象として、実験的な検討を試みた。その結果をまとめると、以下のとおりである。(1) 光沢計を用いて60度グロスを測定すると、アルミニウム合金素地では測定器のスケールを超えるが、当該化成処理の時間が長くなれば測定値が得られ、当該化成処理を施すとアルミニウム合金の表面光沢は明らかに低下する。(2) 色彩色差計を用いて色差を測定すると、Δb値が+側に転じて黄色味を帯びていると判断できる。今回の実験ではΔb値が+1.1を超えていれば、十分な化成処理が施されたと判断され、簡易的な品質管理手法としてΔb値を適用することは可能であると考えられる。(3) 携帯型蛍光x線分析器を適用して、当該化成処理皮膜の主成分であるZrの増加を検出可能であるが、汎用的な品質管理手法としてはさらなる検討が必要である。