抄録
有機系弾性接着剤を用いた外装タイル張り工法において、タイル張付けに先立ち、タイル張り用接着剤と同じ樹脂を主成分とする接着剤で、粘性等を調整してモルタル並みにコテ塗り作業性を高めた下地調整用接着剤を開発し、これで下地調整を行った上に、タイル張り用接着剤を塗り継いでタイルを張り付ける施工法を確立した。本研究は各種性能試験により本工法の妥当性について検証したものであり、本報(その1)は、工法概要および接着評価試験結果について報告している。本工法によるタイルの接着性について、JIS A 5557に基づく接着強さ試験と、実大試験体による引張接着強さ試験により評価した結果、接着剤の凝集破壊が支配的であり、塗り継ぎ部の接着性は良好であった。