食品加工施設や工場などでは、床材として塗床材が使用されることが多い。塗り床の施工時の臭気は高く成分としてトルエンやキシレンなどの有機溶剤が含まれている。これらの臭気の主成分はTVOC(総揮発性有機化合物)であり、塗り床の主成分である樹脂の硬化反応が完了した後も臭気成分として残り、製品や作業に悪影響をもたらすことがある。また下地処理作業に使用されるプライマーも臭気の原因となることが多く、この場合は長期間にわたり臭気が発生している。一方では「低臭気タイプ」塗床材が発売されているが、TVOCの低減推移について従来品と比較されて示されているものが少ない。今回は使用されることが多い①エポキシ樹脂系塗床材、②MMA樹脂系塗床材について、施工直後から養生時間が完了する6~8時間程度までのTVOC発生量の変化を予測するために試験室でできる簡易的な試験を考案し、実際に各塗床材の測定を実施したのでその結果を報告する。