抄録
木材・プラスチック再生複合材を使用したデッキ材は,屋外の歩行環境で少なからず摩耗を受け,滑りやすくなることが考えられる。今回,デッキ材が著しく摩耗された場合にどの程度滑り性能が低下するかを把握するため,表面状態を変えて試験を行った。試験はJISによる方法及びASTMによる方法との両者について検討した。その結果,表面が完全に摩耗され平滑になった場合に,表面が乾燥状態であれば大きな滑り性の違いがなく,水濡れの場合は滑りにくくなった。また,表面に泥が付着した場合は若干滑り易くなった。但しASTMによる振り子式試験では水濡れの場合にJISによる斜め引張試験方法と逆の傾向が現れた。今後,実際の歩行感覚に近い試験方法を提案すべく実験を継続する予定である。