抄録
本研究は、窯業系サイディングの耐久性評価を行うに当たり必須となる、劣化外力の地域・方位・部位における相違の把握を目的とする。特に、外装材に大きな影響を与えると考えられる通気層に関して分析を行った。まず、実大曝露試験より、通気層内の下部温度が低くなり、窓下温度は空気の滞留により高くなる傾向にあった。セルフード上は室内温度の影響を受け、他部位と全く異なる動きを示した。次に、非定常熱湿気同時移動解析を行い、実測値を比較することで解析結果の妥当性を検討した結果、解析値は実測値に比べ小さくなる傾向にあった。また、実大曝露試験結果から部位係数を算出し、解析結果を用い特殊部位の劣化外力の予測を行った。