抄録
日本は,近年多様な壁紙が生産され、無色かつ簡素な壁紙を中心に数多くの施工されてきた。材料選定については,設計者および専門工事業者の判断に依存する傾向が見られ,消費者の需要が充分に反映されていないのが現状である。しかし,高齢化社会となり,室内での人の活動時間が増え,室内空間の快適性などの要求条件の高まりにより,人が内部空間の見え方によって壁紙の表面のデザインの変化が求められるような状況になりつつある。本研究では,視覚的な錯覚現象のひとつであるモアレに着眼し,壁紙が観察距離の変化により,多像化するようなテクスチャーのパターンを作成し, その模様が意図的に変わる壁紙を用意した上で,官能検査を行い、視界距離変化により、壁紙パターン知覚の変化に伴う印象評価の傾向を分析する。