抄録
仕上材が鉄筋コンクリート造の耐久性を向上させることは広く知られているが、そのメカニズムについては明確になっていない。コンクリート中の水分移動性状はコンクリートの耐久性に大きく影響すると考えられ、メカニズム解明の上でそれを把握することは重要であると考えられる。前報では乾燥、吸水、再乾燥過程における仕上げを施工したコンクリート中の水分移動性状を電極法を用いて測定した結果を報告した。本報告では、既報で報告した仕上材を施工したコンクリートを17か月間屋内放置したものについて、長期的なコンクリートの含水率の変化を検討するとともに、コンクリート中の含水率と相関関係にあると考えられる乾燥収縮ひずみの変化について検討した結果を報告する。