抄録
漆喰は、主成分である消石灰がアルカリ性を帯びることで滅菌効果が期待できる。しかし、消石灰すなわち水酸化カルシウムは空気中の二酸化炭素と反応し時間の経過とともに炭酸カルシウムへと変化(中性化)しその効果は薄れてきてしまう。漆喰の中性化は、水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応し炭酸カルシウムとなり水を生成することから、空気中の二酸化炭素濃度と湿度に密接な関係があると予想される。本研究では、漆喰の中性化の挙動を長期的に追跡し、どういった挙動を示すのかを把握した。また漆喰の乾燥の条件を湿度及び空気中の二酸化炭素濃度に変化をあたえ設定し、湿度と二酸化炭素濃度は中性化の挙動にどういった影響をもたらすのかを検証した。