抄録
建築環境計画や環境デザインは、実際に生活する人の空間感覚にもとづいて環境を実体化することであり、場所に根ざし、周囲の環境と連携した固有性ある空間形成行為である。建物の作り手は「品質管理」を行う条件に加え、使い手のニーズを満たすことに係わる「長期的な品質保証」や「長期的資産価値」として顧客満足度の視点が重要となるため、使い手側の評価として大きな影響を及ぼす、感覚の根幹にある自然風土を踏まえた検討が必要となる。これまでの日本建築において、意匠や構造、機能的役割として活用され、土壌によって異なる土を対象とし、環境評価の根幹となる『土』の記憶色を半定量的及び官能調査を行い、基礎的検討を行った。