抄録
近年の大規模プロジェクト建物のファサードであるサッシ・カーテンウォール等の外装アルミ部材の表面処理は、その要求性能を満足する仕様として、数十年に渡る製作工場での製品管理・品質の安定性・施工実績等から、6価クロム酸塩系の化成皮膜処理を施し、溶剤系の熱可塑形ふっ素樹脂系塗装システムを適用するのが主流であった。しかし、近年の環境負荷低減への配慮の観点から、適用塗装システムの一つとして、大気中のオゾン層破壊の原因となるVOCを低減し、工場塗装作業時の塗料ロス分の回収・再利用が可能となる粉体塗装システムが適用され始めており、その耐久性に関する研究が検討されている。しかし、このサッシ・カーテンウォール等の外装部材工事において、部位としてフィルドジョイントにより水密性・気密性を確保すべき部材目地を構成する材料であるシーリング材との接着耐久性に関する研究に関する報告は、未だに少ないのが現状である。そこで本報では、代表的な粉体塗装システムを選定し、現在の汎用的なシーリング材との接着性に関して実施している研究のうち、引張接着性試験結果について報告する。