抄録
アルミニウム合金製建築材料に対する有機系塗装のグローバルな評価方法とされるAAMAやQUALICOATが、屋外暴露試験場所に指定する南フロリダの暴露試験場を視察し、現地の実態を把握するとともに、気象データを収集した。また、南フロリダとほぼ同緯度に位置する沖縄県宮古島の暴露試験場で、同一試験片を3年間暴露した結果を比較して、以下のようなことを明らかにした。(1)フロリダと宮古島はほぼ同緯度に位置し、気温や相対湿度はほぼ同様であるが、日射量はフロリダの方が多く、降水量は宮古島の方が多い。(2) 3年間の暴露では、宮古島の方が南フロリダよりも塗膜劣化が大きい。特に、HAA硬化系ポリエステル粉体塗装の光沢低下が顕著で、水分や湿気が塗膜劣化に大きく寄与すると考えられる。(3)南フロリダよりも降水量が多く、海塩粒子の影響が大きい沖縄県や鹿児島県南西諸島の方が、島国日本における建築外装の劣化形態に近く、より短期間での評価が可能である。したがって、日本における標準的な屋外暴露試験の場所としては、南フロリダよりも適していると判断できる。