抄録
陽極酸化皮膜処理を適用したアルミニウム合金材料の建築外装では、経年による色相変化、汚れの付着や局部的な孔食が散見される。経年劣化を生じた陽極酸化皮膜処理アルミニウム合金材料に対する塗装による改修仕様を検討する目的で実験的評価をした本報の結果は、以下の通りである。1) 促進劣化処理を施した陽極酸化皮膜の表面や断面を電子顕微鏡観察すると、表面の軽微な水和反応による平滑化の可能性が推定される。表面の色調変化は明確ではないが、光沢低下を示しており、顕微鏡観察の結果と同様に、表面の水和反応が進行していることが示唆される。2) 促進劣化をさせた陽極酸化皮膜に、弱溶剤系塗料で構成される塗装仕様を施すと、硬化塗膜は十分な表面状態と付着性を確保できる。今後は、さらに長期間にわたる促進劣化処理を施した陽極酸化皮膜の観察と、塗装改修仕様の検討を継続する予定である。