抄録
毎日の作業時間の長さを均等化できる可能性を,まぐろ延縄調査船が2年間中部太平洋の東部で行った392
回の資料のうち,前報は直線に沿って投縄した139回について検討した。これは利用できる資料の35.4%に
過ぎず,作業時間の均等化の基礎にするためには,それら以外の資料を含めなければならない。本報告では
投縄中に変針を行った例を含め, 355回の資料についてこの問題を検討した。それらは漁場・漁期・漁具構
造によって23群に分けられた。枝縄2,400本の延縄を投入するのに平均約5時間,揚げるのに12.5時間かかっ
た。実測作業時問を,群平均投揚縄速度または速度の鉢数・短縮率・風速に対する回帰式から求めた作業時
間と比べた。実用許容誤差を投縄では10分,揚縄では30分と仮定すると,群平均速度を用いた場合には投縄
時間では85.6%,揚縄時間では68.5%がこの範囲内にあった。回帰式を用いるとこの比率はそれぞれ91.0%
と77.7%に上昇した。この範囲以上の差が見られた例は投縄では4群,揚縄では10群に集中した。前者は各
年の操業初期の群であった。後者に関しては,これらの群とその他の群の違いは明らかにできなかった。上
述の結果は次のことを示唆する。予め設定できる条件に応じて1延の長さを調整すれば,毎日の作業時問の
長さを均等化できる可能性がある。