2019 年 17 巻 2 号 p. 73-77
【要旨】糖尿病医療におけるフットケアの目的は,足のハイリスク疾患をもつ患者の下肢切断を回避し,より快適な日常生活を送れるように援助することである.そのためには,患者と医療者が糖尿病足病変の特性を理解し,足病変のリスクへの対策を行い,足病変を早期に発見し,適切にケアすることによって,患者が最後まで自分の足で歩けるように,大切な足を守ることが必要である.患者と医療者が足の状態に合わせたケアを行うためには,アセスメントが重要である.大切なのは,「足」だけをアセスメントするのではなく,「その足をもつ人」として全人的に捉えアセスメントを行い,大切な足を守るために必要なケアについて患者と一緒に考えていくことである.ここでは,糖尿病患者の予防的フットケアにおけるアセスメントの実際について述べる.