今日我が国市場の80%を占める外材のうち主要なものは米国、カナダ産のいわゆる米材である。これまで米材は我が国各地の市場で国産材と競合し、優位な座を占めるに至った。本報告は国産材、米材を対象に東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の8地域における木材需給構造を計量的に把握しようというものである。分析には、対数線形の需要、供給両関数による価格弾性値の比較を用いた。分析の結果、総製材品需要の価格弾性値は大消費地である関東、中部、近畿で-1.0前後とかなり弾力的になったのに対し、九州、四国、東北の国産材産地では-0.1~-0.5と前者に比べ非弾力的であった。一方、供給関数の価格弾性値は、国産材製材の0.12~0.32、国内挽米材製材の0.08~0.47、輸入製材の0.41となり、有意水準の低い中国を除けば、各地域とも国産材の方が非弾力的であることが明らかとなった。