2003 年 2 巻 p. 49-73
森林土壌中に存在する根現存量の推定、および根現存量を規定している要因の解明のために、根現存量に関する既往の実測データを利用し、根現存量と各要因との関係を解析した。その結果、樹種、林齢のような林況と母材のような立地要因が根現存量を規定していることが明らかとなった。一方、林野土壌の分類に基づいた土壌型や地域による根現存量への影響は小さかった。また、根現存量の試算により、樹木根系が貯留している炭素量は、地上部や堆積有機物、土壌が貯留している炭素量と比べても、決して少なくなく、重要な炭素貯留源であることが示された。