本報告は,近年減少傾向が見られる米材輸入の変化が日本の木材需給に及ぼす効果を見ようというものである.需給モデル推定の結果,米材丸太価格の国産材,ロシア材,NZ材需要に対する交差弾性値は,それぞれ0.149, 0.619, 2.603で,もし米材の価格が上がれば,国産材よりもNZ材需要の方が多くなる結果となった.また米国産地の住宅着工戸数,石油価格等が10%上昇しても,国産材は僅かに1.0%しか増えない.これでは例え米材からの輸入が減っても豊富な森林資源の利用は進まず,我が国における持続的経営は容易ではない.