1989 年 30 巻 2 号 p. 1-8
理科授業における子ども達のPreconceptionの性質及ぴ変容過程を、小学校4年生の「水の状態変化」の授業を通して調査した結果、次の事項が明らかになった。(1) 子ども達が保持しているPreconceptionは「手続き的知識」である。(2) 「手続き的知識」であるPreconceptionの科学概念への変換は、子ども達がこの考え方の矛盾に気づき、反証を加えることによってのみ達成される。(3) 「手続き的知識」の変換は、その変換を意図した教授活動の計画によってのみなされる。子ども達の「手続き的知識」への働きがけがなされない授業においては、彼らのPreconceptionと教師が提示する知識である「宣言的知識」が並存されることが多い。