本研究は,電気回路を対象に生徒の全体的処理の評価法を,ニューラルネットワークによるモデルから明らかにすることを目的とした。中学校第3学年を対象に,全体的処理を調べる調査と分析的処理を調べる調査を行った。両得点の相関を求めた結果,全体的処理の評価は,分析的処理の評価とは関係がないことが明らかになった。また,ニューラルネットワークによる生徒の全体的処理の分析結果から,電流が強くなるのは,直列に乾電池が増えた場合ととらえる生徒は多いが,並列に抵抗が増える場合ととらえる生徒は少ないことが明らかになった。さらに,抵抗のつなぎ方によらず,抵抗が増えると電流が弱くなるといったとらえ方をしている生徒が多いことが明らかになった。